グラスター・ラグビーのダレン・ルイス氏などの多くの優れたアナリストは、自分の仕事の価値を何度も繰り返し考え、戦略を伝え、チームの勝利のために活動しています。
ダレン・ルイス氏のブログは以下より確認できます。アナリスト初心者の方から上級者の方まで楽しめる記事となっております。
しかし、これらスポーツにおける映像分析は、トップチーム以外の多くのチームにとって、どのような意味があるのでしょうか。
彼らは映像分析を使用することはできるのでしょうか?
スポーツビデオの分析は、チームにとって有益なのでしょうか?
私たちは、間違いなく【Yes】と言えます!
ここ数年で、性能の良いパソコンやカメラなどの機材が、安価に手に入るようになりました。私たちNacsportをはじめとした、映像分析ソフトの価格も同じです。
つまり、映像分析に使用する機材やソフトウェアが、以前よりも手に入りやすくなってきたのです。 それでは...映像分析ソフトは何をもたらすのでしょうか?
今回は、映像分析ソフトがもたらすメリットを、5つ紹介したいと思います!
『1、時間の節約』 Nacsportを使用すると、【ハイライトビデオの編集】が非常に簡単になります。
Nacsportでは、ユーザーが見たい項目を分析ボタンとして作成でき、簡単に映像を切り取ることができるのです。
例えば、Nacsportを使用し、以下のようなボタンを作成したとします。
・シュート
・ファウル
・セットプレー
その後に、映像を見ながら、上の現象が起きた時に、それに応じたボタンをクリック。
たったこれだけで、映像を切り取ることができ、その現象の映像クリップが項目ごとに自動で整理されていくのです。
そして、整理された映像は、タイムラインで一覧に表示され、いつでも簡単に見返せるようになるのです。
これにより、ビデオ編集は骨の折れる作業から、辛さを感じさせない作業へと変わり、映像を見ながらクリックするだけで、ハイライトビデオを作成することも可能になります。
Nacsportには他にも様々な機能があり、試合後の【分析時間を節約】するのにも役立ちます。タグ付けされ整理された映像では、現象の共通部分を発見しやすくなり、試合全体を最初から見直すよりも、より深い観察を得ることにつながるのです。
また、分析済みのデータは、そのタグの個数や時間帯などの数値をExcelなどの外部データに書き出すことも可能です。Excelの機能を利用すれば、その数値データから、さらに深く分析することもできるのではないでしょうか。
『2、選手が行いやすい形で、学習・理解を促す』 【約65%の人は、視覚的な学習を得意とする】と言われています。もし、コーチが口頭での説明のみでミーティングをした場合、3人中2人の選手にとっては、彼らの理解力を最大限引き出せないままミーティングを受けることになる可能性があるのです。 映像分析ソフトを使って、映像クリップを簡単に編集できるようになれば、映像を上手く組み合わせて、多くの選手の理解を促すことが可能になります。
Nacsportに限って紹介すれば、その機能の中には、映像を説明するテキストメモを追加したり、音声を録音したオーディオメモを追加したりする機能があります。これによって映像の視覚的な情報をさらに補強することができます。
さらには、数値データを視覚化できるダッシュボードという機能もあります。ダッシュボードを作成することで、タグ付けしたデータを元に、一目でわかるグラフや数値データを自動的に算出してくれるようになります。
『3、客観性が優れた指導をするための鍵』 例えば、映像をうまく使用すると以下のように指導することもできるのではないでしょうか?
コーチ役になって想像してみてください...。
「試合の最後10分間でのフォーメーションプレー、どんなことが印象に残っている?…少しこの映像を見て欲しいんだ。このとき何を考えていたか覚えているかい?この映像を見ると、君が何か違うものに気を取られていて、マークするはずだった選手を見失ってはいないかい?」
このような形で、選手自身の考えを質問しながら、一緒に映像を見て、さらには映像を見た上でコーチの意見を伝える、といったことも可能になるのではないでしょうか?
もちろん、映像は、選手のポジティブな部分を強調するのにも役立ちます。
チームのパフォーマンスを客観的に示す分析データベースの構築は、チームのレベルを一段階引き上げるものになるのではないでしょうか?
『4、試合中の即時のフィードバック』
映像分析ソフトによって集計したデータや映像を、試合中に確認できるようになれば、コーチ自身の意思決定にも役立ちます。
Nacsportでは、Basic Plusよりハイグレードのソフトウェアを使用する事で、ダッシュボードをベンチにいるコーチや選手にその場で共有することができます。また、ダッシュボードは、タグ付けの進度に合わせて、自動的にデータが更新され、常に最新情報を共有することができるのです。
選手へのフィードバックだけでなく、 コーチ自身が客観的に振り返るツールとして利用できます。
また、Scout以降は、映像クリップも共有できるようになり、リアルタイムでの情報共有にも進化が生まれます。
『5、コーチ自身の学びとして』 観察および分析できるのは、自分のチームや対戦相手だけではありません。映像さえあればあらゆるチームの分析が行えます。
また、【InStatなどの外部データプロバイダーを組み合わせる事】で、より大量でのデータを使って理解を深め、多くの学びを得ることが出来ます。
自分のチームの分析をして改善点を発見しながら、格上のチームやトップチームの映像を分析して改善のヒントも貰う。
自チームの分析、対戦相手の分析、そしてもっと広く一般的な学びとしての分析が組み合わされて、チームとしての成長が加速されていくでしょう。
『最後に...』
これまで、スポーツ映像分析を行うメリットについて話してきました。スポーツ分析はとても効果的だと思っています。 逆説的ですが、もし、映像分析が効果的でなかったなら、そもそもプロの世界でも広く普及していないはずです。
これまでは、費用面の壁があり、使用できるチームは限られていました。しかし、現在では、これらのテクノロジーは誰にでも利用できるようになってきています。
欧米では、トップチーム以外でも、映像分析ソフトはどんどん浸透しています。もちろん、分析ソフトを使用せずに、自らの手で分析することも大切なことです。しかし、その作業を上手く簡略化することができれば、選手を見て向き合う時間を、もっと作れるようになるのではないでしょうか?
そしてそれが、分析をチームの成長につなげるための、重要な時間になると考えています。
Nacsportの公式SNSアカウントは以下から
『筆者 Daisuke Matsuuraについて 』
カーディフメトロポリタン大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、分析等を学び、現在はリコーブラックラムズでアナリストとして活動中。言葉、映像、環境を操り、人との繋がりを大切にして、選手のパフォーマンス向上とチームの勝利を目指しています。
SNSにて、最先端のラグビーコーチ、アナリストとしての活動内容を日々投稿中!!
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