• Daisuke Matsuura

一生に一度



グロスター・ラグビーのパフォーマンスアナリストであるダレン・ルイス氏のシリーズ投稿第3弾となります。

本日は、グロスター・ラグビーがこれまで使用していたSportscodeからNacsportへの乗り換える過程の続きをお話しします。Sportscodeからの乗り換えには、MacのパソコンからWindowsのパソコンへと切り替える、大きな課題が残っていました。ルイス氏はこれをどのように考えて、乗り越えていったのでしょうか。

すでに第3回目を迎えるこのシリーズですが、Nacsportへの移行を考えている、または、Nacsport導入を考えている方へのヒントにもなる内容だと感じております。是非、シリーズ第1弾、第2弾の記事もご覧ください。 #1 アナリストの「評価」と「進化」 #2 アナリストとしての役割。コーチの負担を減らし、新しい方法を確立する。 それでは、ルイス氏の話に耳を傾けていきましょう!!


『Windows PCに貼られたレッテル…』

MacのパソコンからWindowsのパソコンへの移行は、ソフトウェアの移行において乗り越えるべき大きな課題でした。

なによりもまず、【Windows PCへのネガティブな固定観念】がありました。

2000年代半ばには、かなり改善されていたのですが、Macに比べてWindowsは、映像を処理する能力がない、高い処理能力を要する分析ソフトウェアの実行には対応しきれない、というネガティブなレッテルが固定観念として強く残っていました。 私はこの認識を変えていかなければならないと感じていて、ある戦略を取りました。といっても、非常に簡単なことでしたが…。それは、

① MacのパソコンでWindowsを使用しない。Nacsportの使用するために、新しく十分な性能のWindowsPCを用意する。

② Windowsへの変更に伴う作業方法の変化に適応できるよう、新しい方法を確立する

特に、1つ目は大事なことでした。

技術的には、これまで使用していたMacのパソコンを利用して、Windows を導入・使用する事は可能でした。しかし、これによって何か問題がおこれば、たとえNacsportの問題でなくとも、Nacsportへの信頼が揺らぎ、将来的に頭痛の種になる可能性があると感じていました。

そういった考えもあり、以前もお伝えしたような新たなワークフローの確立(第2弾を参照)も同時に行うことを約束しながら、すべてのMacをWindowsに変える事をチームに提案しました。 結果的には理解してもらえ、容易に進めることが出来ました(笑)

このように、ソフトウェアを変更するときには、その動作環境から整え直す必要があると思っています。


『入念な検討で絞り込んだうってつけなパソコンとは』 これまでにも数回お話していますが、私たちは大変革に当たって、NacsportとAnalysis Pro(イギリスにあるNacsport代理店)と密に連携をとっていました。

この検討の期間中には、彼らと協力しながら、さまざま機種のPCをテストし、PCの性能や仕様に関しての必要事項を、明確なガイドラインとして整理することができました。 Windows PCはその性質上、Apple製品のみが取り扱うMacOSのPCとは異なり、多くのメーカーが様々な性能で販売しています。

その膨大な製品の中から、試合中に行うリアルタイムの分析と、通常利用時の分析の両方の工程において十分に作動するものが必要でした。このためには、PCそのものをしっかりと理解し、明確化されたガイドラインに沿って、必要なPCを見つける探し出すことが大切でした。

入念な検討の結果、私たちはゲーミングPCをターゲットにしました。多くのゲーミングPCは、プロセッサー、RAM、グラフィックスカードのあらゆる面で、Nacsportのために十分以上の性能を持っていたからです。 更には、PC以外にもゲーム用の機器から導入できるものを見つけました。【AverMediaのキャプチャーデバイス】です。他に、様々なキャプチャーカードデバイスも試しましたが、特にAvermediaのキャプチャーデバイスは、比較的安価で、リアルタイム分析に十分に対応できるものでした。Analysis Proと共同で開発した以下の専用デバイスが完成するまでの3年間、安定して活躍してくれました。




『チーム全体への配慮を忘れない』 Nacsportに関する多くの検討を行う中で、これまで使ってきたApple製品は、依然として価値のあるものだとわかってきました。アナリスト部門では使用することはなくなりましたが、他の部門では十分に活用できるものでした。


そこで私たちは、クラブで所有していたMac PCなどのApple製品を十分にメンテナンスし、メディアや経理などの他の部署や領域で再利用できるように手配をしました。

これによってクラブは、MacからWindowsへの移行に伴う機材変更を有効活用することができ、効率的に投資することができたのです。

これらは些細なことのように聞こえるかもしれませんが、クラブの財政面における柔軟な提案を行い、チームの利益としていくことで、支給された予算を扱う部門として、私たちアナリスト部門が高いレベルの運営ができ、チームのための利益を念頭に置いて検討していることを証明する、とても重要な機会にもなったのです。

『ライフタイムライセンスとクラブの資産』

Nacsportライフタイムライセンスは、財政面での提案のときには、1つの強みとなりました。私たち、すべてのスタッフは【HP社の O-men】というノートPCを使用しています。また、分析した映像を選手たちに見せるための部屋であるビューイングステーションには、HP社のデスクトップPCを使用しています。

これらのPCは合計20台にもなり、切り替えのための初期費用としてはかなりの額になります。しかし、Windows PCは、Apple社のPCよりもはるかに安価であることに加え、Nacsportはライセンス費用を私たちの財政面に合うよう、何年かに分割して提供してくれたため、その費用面の負担は緩和することができました。 多くの組織にとって、こういった初期投資のコストを分割できることは非常に魅力的であり、もちろん私たちグロスター・ラグビーにとっても、財政面における計画実行の助けにもなりました。 さらに重要なこととして、【Nacsportはライスタイムライセンス】だということです。ライセンス費用の支払い後には、そのライセンスは完全にクラブのものとなります。つまり、クラブの資産に変わるということです。 オプションであるサポート料金や、その他の追加ライセンス(KlipDrawおよびCoach Station)により少額の料金は加算されましたが、支払い完了後の年間のランニングコストは非常にわずかなものになりました。Nacsportとは完全に信頼関係を築けていたこともあり、こういったオプションに費用を支払うことには大きな価値があると感じていました。


『信じたものを全力で証明する』 Nacsportに移行すること大きなメリットとして財政面での利点があることは重要でした。しかし、それが私たちの意思決定の1番の理由ではありません。


最も達成すべき目的は、私たちアナリスト部門が、Nacsportの製品と彼らのサポートを利用して、チームに高いレベルの分析を提供でき、さらには分析内容を進化させることができるかどうか、でした。 機材と財務に関する内容は、あくまでも提案の最後の部分でした。提出書類では、私がNacsportに移行すべきと考えた理由、製品の利点、および顧客として受けられるサポートのすべてを最初に説明しました。そのあとに、Nacsportを使用するために必要な機材、今持っている機材の再利用の方針、そしてそこに付随する財務面での利点の詳細などの内訳が用意されました。

これらは、広範にわたる作業だった事もあり、説明材料を揃えるのに約1年かかりました。私たちは、この意思決定が優れたものであることを証明する必要があり、承諾のサインを得るために、全ての手順を確実に行う必要がありました。 これらの準備によって、クラブのラグビー・ディレクターと財務担当者は、提案にサインをしてくれました。 そして、これから、私たちアナリストの本当の仕事が始まるのです…

『さいごに...』


いかがでしたか?


今回は、クラブとしてMacからWindowsへ大規模に移行したときの経緯について、詳しく話を聞くことができました。イングランドのラグビートップチームがNacsportを選んだ理由は、とても興味深いことばかりでしたね。特に、Nacsportのライフタイムライセンスによって、ソフトウェアがチームの資産となることは、長期的にチームを見た時に本当に貴重なものになるのではないでしょうか?

今回もお読み頂きありがとうございました。ぜひ他の記事もご覧ください。




『筆者 Daisuke Matsuuraについて

関西大学大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、分析等を学び、現在はニュージーランドと日本でラグビーコーチ/アナリストとして活動中。コーチとして、ラグビーワールドカップの優勝を目指している。今後は、ヨーロッパやアルゼンチンへ活動を拡げようと計画中。言葉、映像、環境を操り、人との繋がりを大切にして、選手のパフォーマンス向上とチームの勝利を目指しています。

SNSにて、最先端のラグビーコーチ、アナリストとしての活動内容を日々投稿中!!


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