リーズ・ユナイテッドのアナリストチームに接近!!ビデオ分析が重要だと感じているコーチと、優れたアナリストチーム!!
更新日:2021年10月17日
本日は、イングランド北部・ウェスト・ヨークシャー州リーズをホームタウンとし、イングランドプロサッカーリーグに加盟する古豪クラブ・・・リーズ・ユナイテッドに接近しました。今回の話は、リーズ・ユナイテッドに所属する凄腕コーチ、マルセロ・ビエルサ氏とアナリストチームの活躍のストーリとなっております。プレミアリーグに昇格。そして、チームをプレミアリーグ9位に導いたビエルサ氏とアナリストチームは一体どのように仕事をしているのでしょうか?
〜目次〜
国際色が強いアナリスト部門
アナリスト部門のしくみ
細心の注意を払った試合レポート
当然の成功
それではいきましょう!!

『国際色が強いアナリスト部門』

リーズ・ユナイテッドのスポーツディレクターは、ある日映像分析作業がより重要な役割を果たすべきであると考えました。そして、彼は経験豊富なスペインのアナリストであるウィリー・アロンソ氏をチームのアナリスト責任者として採用しました。 リーズ・ユナイテッドには、常任のアナリストが4人いて、アロンソ氏と他の2人のスペイン人、そして1人の英国人で構成されています。アロンソ氏は、アナリスト責任者として、アナリスト部門の開発を担当しています。また、映像分析が重要だと理解しているビエルサ氏などのコーチ数名も、アナリストではありませんが、映像分析の作業を行います。
『アナリスト部門のしくみ』

時は金なりという諺がありますが、それと同じように、リーズ・ユナイテッドのアナリスト部門では、分析作業にかかる時間をいかに減らすかを考えていて、そのためには効果的な組織化が重要だと言います。 リーズ・ユナイテッドでは、対戦相手を分析する時、1チームあたり最小で5試合分析します。しかし、アロンソ氏は、これは利用可能な時間と人材に大きく依存すると言います。しかし、一般的に言えば、多ければ多いほど良いと思います。 「試合のデータが多ければ多いほど、対戦相手の特定の行動パターンを見つけることができます」
とアロンソ氏は言います。
そのため、彼らは、大会に関わらず、各対戦相手についてできるだけ多くの試合を分析しようと心がけているのです。
多くの試合を分析するためには、多くの時間を要します。そのためにも、仕事を組織的に行う必要があるのです。 また、アロンソ氏は、コーチングスタッフへ、分析レポートを送ることも担当しています。
これらのレポートには、コーチが関心を持っている対戦相手の特徴をまとめたものが書かれています。

『細心の注意を払った試合レポート』 試合中は、2台のコンピューターを使用してリアルタイムでライブ分析されます。分析レポートは試合中には使用されませんが、試合が終了するとすぐに、コーチに試合の分析レポートが渡されます。 この試合後のレポートは、コーチスタッフが設定したガイドラインに従って作成され、コーチのビエルサ氏がビデオ分析を重要視していることから、特に徹底しています。これらのレポート内で、アナリストは評価を行います。これは、選手個人、または全体的なチームのガイドとして役に立つのです。 すべての映像分析作業は、アナリスト部門とコーチングスタッフの間で調整し、構造化、そして実行されます。最初の構造はアロンソ氏がクラブに来たときに彼自身によって開発されました。そして、今ではコーチスタッフと協力して、毎シーズン後に注意深く見直しています。 「これの目的は、自分がクラブを離れた場合、その後の人々の遺産として、分析構造を整えることにあります」とアロンソ氏は言います。
『当然の成功』 リーズ・ユナイテッドの分析作業の仕組みを見ると、過去数シーズンにわたる彼らの成功は偶然ではなかったと言えるのではないでしょうか?

アナリスト部門が設立され、ビエルサ氏が来て以来、リーズ・ユナイテッドはますます力を増してきました。ビエルサ氏が来て、最初のシーズンで、彼らは昇格圏内に入り、その次のシーズンで、昇格、3シーズン目では、プレミアリーグで9位。これは新しく昇進したチームにとって事実上前例のない偉業だと思います。 間違いなく、映像分析はリーズで機能しています。私たちは彼らのこれからのシーズンがより良いものになることを願っています。
『最後に・・・』
いかがでしたでしょうか?
僕はこの記事を読み、アロンソ氏の言葉、「これの目的は、自分がクラブを離れた場合、その後の人々の遺産として、分析構造を整えることにあります。」に感動しました。勝利することだけに満足せず、リーズ・ユナイテッドの将来を考えながら、仕事をする彼の姿勢には、見習うところがたくさんあります。それにしても、1チームに対して5試合の分析はすごい・・・笑 たくさんのアナリストと話をしてきましたが、多くのチームが1チームに対して、約3試合分析をしています。おそらく、分析作業そのものも早いと思いますが、どのように組織化しているかが気になるところです。是非直接会って話をしてみたいなと思います。
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『筆者 Daisuke Matsuuraについて 』
関西大学大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、分析等を学び、現在はブラックラムズ東京でラグビーアナリストとして活動中。コーチとして、ラグビーワールドカップの優勝を目指している。今後は、ヨーロッパやアルゼンチンへ活動を拡げようと計画中。言葉、映像、環境を操り、人との繋がりを大切にして、選手のパフォーマンス向上とチームの勝利を目指しています。
SNSにて、最先端のラグビーコーチ、アナリストとしての活動内容を日々投稿中!!