実はとても簡単?!ダッシュボードで、エリアごとの情報を集計する方法
更新日:2021年1月19日
Nacsportのダッシュボードを使用すると、取得したデータを視覚的な統計情報に変えることができます。今回は、フィールド上のさまざまなエリアでのアクションを、視覚的に識別するためのダッシュボードの1つのアイディアを紹介します。 Nacsportでのダッシュボードの作成は、プログラミングなどの知識は必要なく、一度覚えてしまえば、非常に素早く、分析情報にアクセスする事ができます。
そんな魅力的な機能の1つであるダッシュボードについて、今回は、サッカーを例にしてご紹介します。
下のビデオは、スペインのサッカーチーム「バレンシアCF」のアナリストの観点から分析され、レアルマドリードとバレンシアCFの試合で、実際に使用されていたものです。映像も見て頂きながら、イメージを掴んでいただければと思います!
今回紹介するダッシュボードを、我々は「フィールド・オブ・プレイ」と名付けました。
「フィールド・オブ・プレイ」では、バレンシアCFが【ボールを失った回数】を、エリアごとに確認する目的で作成されました。
また同様に、相手からボールを奪取した回数も確認できるようになっています。
さらに、ダッシュボード下部の情報は、自チームと相手チームのシュート結果をエリア別に表示しています。
Nacsportのダッシュボードには、データをクリックすれば、それに関連する映像をすぐさま確認できるようになっています。これらのエリア毎のデータを選択すれば、すぐに重要なアクションの映像を見ることができるのです。さらには、その映像クリップの長さを調整したり、プレゼンテーションへの追加を行ったりなど、映像クリップの編集もその場で行うことができます!!
それでは、これらのデータがどのように作成されたのか、その方法を見ていきましょう。
『フィールド・オブ・プレイのダッシュボードの作成方法』
具体的な方法を、4つのステップに分けて説明していきます。
1,分析ボタンの作成
2, ダッシュボードの作成
3, フィールドを示す画像を挿入
4, フィールド上の各エリアにデータ・ラベルを作成する
注意
今回ご紹介する方法は、ディスクリプター機能を使います。ダッシュボードはNacsportの全てのグレードで使用できますが、上記の理由から今回ご紹介するものは、Nacsport Basicでは作成できないものになります。ご了承ください。
『1, 分析ボタンの作成』
まずは、分析したいデータを収集するために、ボタンテンプレートを作りましょう。
今回は、
「エリアの情報」
と、
「ボールロスト(ボールを失う)」
「リカバー(ボール奪取」
のカテゴリーボタンを作成します。
さらに、その状態を詳しく説明するために、ディスクリプターボタンとして
「Steal(奪われた)」
「Forced(自滅)」
とボタンも作成します。
また、シュートのエリアを表示するためにも、いくつかのボタンを作成しています。
より細かな分類をしていくためにも、1つのカテゴリーに対して、その状況を説明するいくつかのディスクリプターを用意しておきましょう。

2,ダッシュボードの作成
作成したボタンテンプレートを使って、試合映像のレジスタが終わったら、さっそくダッシュボードを作成しましょう!
タイムライン画面の他にも、ボタンテンプレート作成画面や、レジスタ中の画面からもダッシュボードを作成することができます。 3,フィールドを示す画像を挿入
表示したい情報に合わせて、フィールドの画像や、ゴールの画像を使用しましょう。この作業は必須ではありませんが、このひと工夫が視覚的な理解のしやすさを与えてくれます。
下の例では、フィールドの画像を2つ。
左が「ボールロスト」、右が「リカバー」に関する情報のために載せています
また、その下には、ゴールポストの画像を載せ、シュートが枠内だったか、枠外だったか、などが分かりやすく見られるようにしています。

4, フィールド上の各エリアにデータ・ラベルを作成する
データ・ラベル作成ウィンドウから、必要なデータの組み合わせになるよう、データ・ラベルを作成していきましょう!
下記の例では、
SHOT(カテゴリー) + In the box(枠内)(ディスクリプター)
にチェックを入れています。
これで、全てのシュートの中から、枠内に放たれたシュートの回数や映像を簡単に集計できます。

表示データの設定の後には、データ・ラベルの色や、テキストの表示などの設定もしてみてください。
大きな流れとしては、以上になります!
上記の流れに沿って、1つ1つのデータ・ラベルを作成すれば、何度でも繰り返し使える、ダッシュボードデータの完成になります!
集めたいデータにと結びついたテンプレートを作成し、それを使って映像のタグ付けを行えば、その先のダッシュボード作成は非常に簡単です。
ダッシュボードを最大限に活用し、映像の分析に加えて、より分かりやすく数値面での分析も行ってみてはいかがでしょうか?
『最後に...』 今日は、ダッシュボードの使用方法の1つを紹介させて頂きました。Nacsportのダッシュボードは本当に強力なツールです。他のソフトだと、スクリプトを覚えてプログラミングをしたり、一度Excelデータに出力してからそこで作り直したりする必要があるからです。
それの手間を省くために、Nacsportでは、クリックのみで作成でき、さらにレジスタ後には簡単に素早く見られるようにしています。映像のみならず、数値面でも、簡単に分析できるというのは、チームやコーチの更なる助けになれるのではないかと考えています。
Nacsportのダッシュボードに関しては、様々な活用方法がありますので、また機会があったらご紹介したいと思います。
お読み頂きありがとうございました。
Nacsportの公式SNSアカウントは以下から
『筆者 Daisuke Matsuuraについて 』
関西大学大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、分析等を学び、現在はリコーブラックラムズでアナリストとして活動中。コーチとして、ラグビーワールドカップの優勝を目指している。今後は、ヨーロッパやアルゼンチンへ活動を拡げようと計画中。言葉、映像、環境を操り、人との繋がりを大切にして、選手のパフォーマンス向上とチームの勝利を目指しています。
SNSにて、最先端のラグビーコーチ、アナリストとしての活動内容を日々投稿中!!