分析ワークフローを評価および最適化するためのヒント(ラグビー)
【私たちはいつもこのようにやってきた】というのは、私が過去に使用していた罪深い言葉の一つです。その言葉は、今ではある質問に対する真の答えを恐れている時に、自然と出るフレーズだと思っています。
私は、過去に行っていた習慣やワークフローの効果がないと言いたい訳ではありません。しかし、「私たちはいつもこのようにやってきた」というのは、過去から行ってきた習慣やワークフローを続ける十分な理由であるとも思いません…ただ、それだけです。 私たちアナリストは、自分自身に挑戦し、変化するように心を開き、評価と最適化を絶え間なく行うべきだと思っています。
本日はこれを行うために重要なヒントをいくつか紹介したいと思います!! 注:私はラグビーを専門としていますが、これからのヒントは、パフォーマンス分析の要素があるすべてのスポーツに関連していると思います。
『1、常に評価をする』 どのくらいの頻度でワークフローの評価と分析を行っていますか? 分析ワークフローの評価と分析は、定期的に行うべきだと思っています。
これにより、プロセスの潜在的な問題点を把握したり、思っているほどスムーズで効率的でない部分を確認したりすることができます。 ワークフローごとの使用頻度や重要度を確立することで、振り返りと再評価の優先順位をつけるための優れたガイドを作ることができます
ラグビー分析に関わる様々なワークフローは、相互にリンクしているため、評価と分析を合理的かつ真剣に取り組むことで、長期的に見た時、大きな時間を節約することができます。例えば、少しの調整で1回の仕事が、約30秒節約できたとすると、1週間または1シーズンでどれだけの時間を節約できたことになるでしょうか?
時に再評価をしても、何も変更する必要がない場合があります。そして、これは少し大変な作業になるかもしれません。しかし、それでもプロセスを振り返る価値があると思っています。

『2、物事を明確かつシンプルに』 その分析ワークフローのゴールは何ですか?
まず初めに、ワークフローの目的やゴールをしっかり確認することが重要だと思っています。目的が明確でないワークフローは、通常、複雑なものが多く、また、達成しようとしているものがわからない場合は、単純化することがより難しくなることもあります。
何が言いたいかというと、必要以上に複雑なものを考えすぎたり、泥沼化したりする可能性があるという事です。これは、長期的に見た時に裏目に出ることがよくあるのです。
『3、何か感じた時は話してみよう』
今の分析フローをコーチや選手は有効的に使えているのだろうか?
もっと良いワークフローは? アナリストの作業にとって、【対人スキル】は、特に作業プロセスを再評価する場合、非常に重要となってきます。 分析ソフトウェアのワークフローの使いやすさの問題を発見するためには、たくさんのチーム関係者と話す事が重要です。
例えば、、、
・レジスタ(映像のタグ付け)ワークフローについてコーチと話し合う
・ダッシュボードやプレゼンテーションを簡素化する方法について選手にフィードバックを求める
また、さまざまな分野で働く他のアナリストと会話したりすることも大切です。 より効率的に作業することを考えた時に、【共同アプローチ】は、通常、死角を特定して、修正するための最も生産的な方法だと思っています。 解決が必要な問題の種類と利用可能なツールについて同様の理解を持っている人々の間での会話は、非常に建設的なものになる可能性があります。 一方、同じ基準を共有していない人と共有すると、素晴らしい質問をくれたり、考えもしなかった視点頂けたりする可能性があります。
まさしく、アハ体験と言ったところですね!!笑 こだわりのポイントや問題を思い切って話すことは、現状のハードルを飛び越えるのに非常に有益だと思っています。

『4、自分の分析を外側から見る』
分析データチェック時間かかりませんか? 私たちが最適化できた領域の1つに、試合後のデータチェックというものがあります。トム(私の部門のアナリストの1人)は、チームデータのすべてのレジスタ(タグ付けの)精度をすばやくチェックして正しいことを確認するためのダッシュボードを作成しました。これにより、ライブレジスタ(試合のライブタグ付け)のプレッシャー中に発生したレジスタ(タグ付けの)エラーを即座に知る事ができるようになったのです。これがデータの視覚化(主な用途)以外でのダッシュボードを使用方法です。
『5、時間を作る』 実際問題、毎週または毎月、すべてのものをレビューして再評価する時間はありません。しかし、時間をかけてシーズンの1日だけでもプロセスを慎重に再検討することができれば、大きく違ってくると思います。
『最後に・・・』
いかがでしたでしょうか?
ダレン氏の記事を読むと、いつも自分のワークフローを確認したくなります。そういえば、先日ダレン氏とビデオミーティングを行いました。ワークフローについて、じっくり話合う事ができました。これからも、ダレン氏だけではなく、世界中のアナリストから学んだことを皆様に還元できればと思っています。
最後の最後に・・・
過去に翻訳させて頂いたダレン氏の記事を載せておきたいと思います。
本日もお読み頂きありがとうございました。
ダレン・ルイス氏の記事一覧
#2 アナリストとしての役割。コーチの負担を減らし、新しい方法を確立する。
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『筆者 Daisuke Matsuuraについて 』
関西大学大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、分析等を学び、現在はリコーブラックラムズでアナリストとして活動中。コーチとして、ラグビーワールドカップの優勝を目指している。今後は、ヨーロッパやアルゼンチンへ活動を拡げようと計画中。言葉、映像、環境を操り、人との繋がりを大切にして、選手のパフォーマンス向上とチームの勝利を目指しています。
SNSにて、最先端のラグビーコーチ、アナリストとしての活動内容を日々投稿中!!