更新日:2020年8月24日

『地域に愛されるクラブ』
本日は、オランダホッケークラブのアナリストに密着していきたいと思います。
オランダの【カルトゥーシュホッケークラブ】はプロクラブとして立ち上げられました。クラブには、男性と女性チームは国内の地域リーグに所属しています。また、ハーグに近いライツェンダムをホームタウンとし、地元コミュニティと強いつながりを持っているのです。
そのつながりの裏には、クラブチームのアナリスト・ミーズ・ソーク氏(以後ソーク氏)がシニア女子チームと、さまざまな青少年育成プログラムに力を注いでいるとういう背景があります。
彼はNacsportを使用して若いプレイヤー育成に力を注ぎ、若い選手に分析的な思考を通して貴重な人生の教訓を教えています。
それでは、素晴らしい活動をしているソーク氏に迫ってみましょう!!!
『Nacsportをいつ、どのように発見しましたか?』
『以前のソフトウェアは?』
2014年に、iMovieやLongoMatchの無料版などのプログラムを使用して、ビデオ分析を開始したんだ。
そして、2015年にNacsportのカルロ氏がホッケークラブに・・・
それが、Nacsportを使い始めたきっかけだ。
『クラブのどの選手層がNacsportを使用していますか?』
女性のトップチームと女子ユースチームの両方がNacsportを使用しているんだ。
男子ユースチームでは、経験豊富なコーチと経験の浅いコーチとが協力して、分析を行っているよ。
我々のユースチームには、12のチームが、Nacsportにアクセスできるよ。
毎週、少なくとも4チームがNacsportを使用しているよ。
すべてのコーチと選手は私たちの分析にアクセスできるようにしているよ。 そして、それらに選手に、より良く思ってもらっているいるよ。
これらレポートから生まれるものは、チームによって異なります。
U12のような若いチームは、テクニック的なフィードバックや意思決定スキル開発、自己制御力発達のために使用しているよ。
私たちは、ユースチームのコーチに、【ビデオ分析の使用し選手たちのアイデアを引き出す】ように促しているよ。
彼らに短いクリップを見せ、何が見えるかを尋ねて、そこから選手自身のアイデアを引き出したりしている。
一方、女性チームには、勝つことに焦点を当てているため、さらに深く分析をしているよ。
対戦相手の長所と短所、選手の効率など、より深く掘り下げて分析している。
『毎週いくつのゲームを分析していますか?』
個人的には、週に約2ゲームかな・・・
『あなたの分析について教えていただけますか?』
繰り返しますが、分析の対象となるチームによって分析方は異なります。
しかし、本質的な事は、決して変わらず、統計とデータを作成し、どこを改善する
必要があるか、どのように進歩しているかを観察している。
私たちは、毎週異なる課題に取り組んでいるよ。
そのため、可能な場合は同時にそれら課題に関するフィードバックもしている。
たとえば、ベースラインプレイ、1v1、防御システムなど・・・
『リアルタイムで作業をしますか?』
『もしそうなら、あなたはどんな情報を共有していますか?』
女性のトップチームではNacsport Coach Stationを使用して、試合中に分析データを共有しているよ。
ペナルティコーナー、サークルエントリー、25ヤードエントリー、ショット精度などに関する統計データを共有しているんだ。
コーチたちとは、ゲーム中に独自の電話回線を使用し、連絡をとっているよ。
時に彼らは、それらを使って、ゲーム内の特定の分析情報を求めてくることがあるんだ。
Coach Stationを使用すると、試合中に、選手たちはクリップを観て、レビューすることができる。
特に、ペナルティコーナーのレビューや、得点機会がどこから生まれるのかを特定するのに役立っているよ。

『分析をする時は、何人の仲間と行いますか?』
女性のシニアチームには、ビデオ分析は、3人で取り組んでいる。
ゲーム中にリアルタイムでコーディングを行っているんだ。
その後、ヘッドコーチがチームと共有するクリップを決定し、Sharimgにアップロードしている。
同時に、次の対戦相手の分析もアップロードするため、選手たちは、いつも、2つのレポートを同時にアクセスできているよ。
『映像はどのように使われていますか?』
『コーチやチームマネージャーはあなたのプレゼンテーションを使用しますか?』
ヘッドコーチとアシスタントコーチは私たちの分析からSharimgに映像クリップをアップロードしていたが、現在は、新しいマトリックス機能を使用する傾向があるよ。
彼らは水曜日にチームとビデオセッションを行い、チームの課題について話し合う。
日曜日には、彼らが一週間を通して議論したこと(チームの課題)の簡単なレビューを行うんだ。
しかし、ユースチームに対しては、少し違っている。
ビデオをチームに送信し、フィールド上で、それらについて、議論してもらっている。
また、試合の日には、私たちは数人のプレーヤーに、彼らが受け取ったビデオを使って、彼らの考えについてプレゼンテーションをするように頼むんだ。
私たちは、ユース選手の意思決定能力の改善と、自己制御力獲得を目指しているよ。
分析する時は、何か特定の部分に焦点を当てていますか?
対戦相手チームも見ていますか?
まず、私たちはユース部門では、Nacsport Tag&Goを使用して標準テンプレートを作成したよ。
すべてのコーチが同じ言語を話し、同じ課題ついてに取り組むようにしたいので、チーム特有のDNAを作成し、それをNacsportのテンプレートに使用している。
テンプレートは、ポゼッション、対戦相手のポゼッション、ターンオーバーボール(ボールを獲得)、ターンオーバー(ボールを失う)の4つのフェーズに焦点を当てているよ。
各フェーズで、その特定の年齢層にとって重要だと思われるいくつかの課題を出す。
もちろん、ゴール、ペナルティコーナー、サークルエントリーに関する統計も必要だ。
『チームはあなたの仕事からどのような利点を得ると思いますか?』
『クラブにとって、長期的な利点はありますか?』
女性のトップチームでは、あらゆる可能性を探りたいと思っている。
このレベルでは、些細なデータが勝ち負けの差を生む可能性がある。
もし、ゲーム中に、プレーの1つを改善するのに役立つ短いビデオを提示できれば、ゲームに違いを生むことができる。
ユースチームにとっても、Nacsportは非常に役立っている。
子どもたちは視覚から何かを得る事にとても慣れている。
なので、ビデオフィードバックは彼らにとって吸収しやすく、【意思決定と自己制御力】を訓練するのに非常に良い方法だ。

『分析目標を達成していますか?』
『より効果的に仕事をするために必要なものは何ですか?』
ビデオ分析を始めたとき、ストレージ問題に苦労していた。
Bootcampを使用してMacBookでWindowsを実行している。
それを使用するためには私のハードドライブを2つの部分に分割する必要があります。
1年後、外付けハードドライブを購入すると役立つと思った。
私が仕事をしている中で、ストレスになっていたもの、1つはビデオ形式の数でした。
それを修正するために、すべてのチームがアクセスできるビデオカメラを購入した。
これにより、常に正しい形式とサイズのデータを取得できるようになった。
『分析やプレゼンテーションで他のツールを使用していますか?』
(KlipDraw、Tag&view、Sharimgなど)
すべてのチームで分析を強化するために、KlipDrawを使用し、Sharimg(女性のトップチーム)でビデオを共有しているよ。
また、ユースチームでは、WhatsAppを利用し、アニメーション化されたビデオを共有している。
『あなたのスポーツ現場では、アナリストの役割をどのように見られていますか?』
スポーツ分析は、ますます当たり前のものになってきている。
若いプレーヤにとって、テクノロジーの使用方法、探すべきもの、自らの情報を引き出す方法などのアイデアを構築するために役立つ。
多くの場合、彼らは、選手たちは改善するために特別なフィードバックを求める。
アナリストとコーチの役割は常に変化している。
過去は、非常に極端な1つの方法のみが採用されていた。
選手の意見を考慮せずに、選手に何をすべきかのみを伝える方法だ。
今では双方向のプロセスをとっている。
選手たちは、ゲームやトレーニングで試行錯誤を繰り返し、意見や経験を表現できるようになる。
少なくともカルトゥーシュでは、分析は教育のために使用するものになりつつある。
若い人たちにとって、勝つか負けるかはあまり重要ではないと考えているよ。
それは、試合もトレーニングも彼らにとっては変わりはない。
失敗は学習の一部なんだ。
失敗によって物事を改善し、物事をうまく解決できるようになんだ。
そして、私たちは、これらの考え方を開発するために分析をする。
『もしNacsportに新しい機能を1つ追加できるとしたら、何を選びますか?』
ビデオ分析を、位置データ(視覚的観測またはGPS / LPMデータのいずれか)や
心拍数などの他の形式のデータとうまく組み合わせれるようになる事を楽しみにしているよ!!
新しい興味深いパターンを発見するための、さらに深い分析を行う機会になると思うよ。
『さいごに...』
いかがでしたでしょうか?
本日の記事は、分析が若い選手の
・状況判断能力
・自主制御力
を高めるために使用されている事に、私はとても驚かされました。
これからも、世界のアナリストの思考を楽しみにしていてください。
『筆者 Daisuke Matsuuraについて 』
関西大学大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、