更新日:2020年8月25日

ニュージーランドのネットボールアナリストであるボビー・ウィルコックス博士(以後ボビー氏)に、世界中のチームで行っているユニークな仕事について尋ねました。
Point9 Analyticsは、ネットボールへの愛情に加えて、非常に異なる職歴の2人の元分析マニアによって形成された、特別な種類のコンサルティングです。
現在は、各国のチーム、クラブ、さらには学校チームと連携し、分析パッケージを配信し、世界中の新しいファンを集めています。
こちらのインタビューには、ボビー氏だけでなく、Point9 Analyticsの共同研究者であり、仲間の創設者であるデシブロートン氏と経験豊富なアナリストジェイドショー氏の両方からもコメントも頂くことができました。 それでは、お楽しみにください!!
『Nacsportをいつ、どのように発見しましたか?』
『以前に他のソフトウェアを使用していましたか?』
NacSportのことを初めて聞いたとき、私はまだ*Silver Fernsにいて、SportsCodeより
手頃な価格の代替品を探していました。
*ニュージーランド女子ネットボール代表チーム
そして、私たちは2017/2018年にSilver fernsでNacSportに切り替えました。
その後、
Point 9 Analyticsを開始したときに、Nacsportがビジネスモデルに最適であると判断しました。
『毎週どのくらいのゲームを分析しますか?』
国内シーズン中は週に約10ゲーム。ただし、すべてのゲームでNacsportを使用しているわけではありません。
『Nacsportをどのように使用しますか?』
私たちは、若い年齢層や学校チームから国際レベルのチームまで、幅広いチームと連携しています。
そのため、NacSportの使用方法は、チームによって異なります。
場合によっては、Tag&Viewを使用してゲームのビデオを作成し、簡単な分析を提供します。
分析結果はオンラインでアップロードされ、プレーヤーとコーチに共有されます。
他の場合では、NacSport Proを使用して、より複雑なコーディングを行い、コーチが見たいものに応じて、プレーヤー向けのプレゼンテーションを作成します。
『ゲーム中にリアルタイムで仕事をしていますか?』
リアルタイムで仕事を行なっていますが、現時点ではNacSportを使っていません。将来的に使いたいと考えています。
『分析チームのアナリスト達とは、どのように仕事を行いますか?』
Point 9 Analyticsには、2人の共同ディレクターと1人のインターン生がいます。
チームとして一緒に仕事をすることもあれば、一人一人が独立して仕事をすることもあります。それはすべてチームの要望によります。
たとえば、デッシ氏は、セントラルゾーンチーム(セントラルパルスとマナワベコ)のアナリストリーダーですが、ボビー氏とジェイド氏は、必要に応じてリモートで、デッシ氏のサポートを行います。
デッシ氏とボビー氏はフィジー代表チームとともにワールドカップに参加しましたが、ジェイド氏は、その時は、U17ナショナルチャンピオンズのマナワツU17チームのアナリストリーダーでした。
通常、全ての分析はチームのコーチに報告しますが、場合によっては選手と直接やり取りをすることもあります。
『分析データをどのように使いますか?』
『チームはあなたが用意したレゼンテーションを使用しますか?』
チームに専属している時は、コーチや選手に直接情報を提示しています。
その配信方法は、選手のニーズやレベルに合わせて微調整します。
また、オンラインで、選手やコーチと映像を共有したり、話し合いをすることもあります。
これら分析により、、彼らは彼ら自身で、より良い分析ができるようになります。
より細かく複雑な分析の一部はコーチのみに直接配信されます。
その後、コーチたちは分析データを、どのように、ゲームプランに落とすのか、練習に落とし込むのかを考え、何を、どうやって。伝えるかを決めます。
『ゲームを分析する時、特に何を焦点に当てていますか?』
ゲーム中に起こりうるすべてのことの統計情報を取得し、それらの数値を見て、必要に応じて特定の領域に集中するようにしています。
分析ビデオでも同様に、ゲームの重要な瞬間を記録するためのコードは何が起こったのか、
次の試合に何が必要なのかによって、調べる必要があるものは変わって行きます。
これらコードは選手/コーチ主導で作られる場合もあれば、私たちの様な分析専門家が
作る場合もあります。
『対戦相手チームにも焦点を当てていますか?』
はい、私たちは間違いなく対戦相手チームを見ています!
『チームはあなたの仕事から、どのような利益を得ることができると思いまか?』
『クラブのメンタリティに長期的なメリットはありますか?』
私たちは、様々なレベルのチームと共に仕事をしていますので、チームによって違ったメリットがあると思います。
たとえば、分析に精通しているCentral Pulseと仕事をさせて頂いた時は、かなり専門的なデータ分析と広範な知識データを提供することができました。
私たちの情報には価値があったと思っています。(願っています!笑)。
今年2つのセントラルチームがNZチャンピオンシップとBekoチャンピオンシップの両方で優勝しました。
私たちのデータがうまく使用して頂けのかなと思っています!
一方で、フィジー代表チームに対してはこれまで分析を経験したことがなかったため、彼らには、分析規律を紹介し、彼らに新たなパフォーマンスの測定法を示し、レビュープロセスを紹介しました。
プレイヤーから素晴らしい賛同を得て、ワールドカップの終わりまで、統計データを読み取り、ビデオレビューを行いました。
彼らが学んだことを、次世代のプレイヤーたちに受け継いでくれたら良いなと思います。
『分析の仕事をどう感じていますか?』
『何にイラ立ちを感じますか?』
私たちは現時点では、満足をしています。
しかし、私たちができること、そして、何かを行うための新しい方法は常にたくさんあります!
私たちのビジネスの仕組では、国/世界中のチームとリモートで仕事をしていることが多いので、現時点で最も苛立ちを感じることは、選手が納得するために最も適したをオンライン共有法を見つけだすことです。
対話形式のダッシュボードでオンライン共有できれば、間違いなく、より効果的になると思っています。
『プレーヤーやコーチはあなたたちの分析作業に「納得・賛成」されていますか?』
はい、私たちの仕事に100%賛同し、選手に伝える手助けをしてくれる素晴らしいコーチと
一緒に仕事ができてとても幸運だと思っています。
分析に慣れていない選手は、一般的に学習に対して非常にオープンです。
一方、セントラルゾーンで協力してきた経験豊富なプレイヤーは、分析がもたらす価値を理解し、評価していることがわかりました。
しかし、常に本能的にプレーすることを好むプレイヤーやコーチもいます。
彼らは私たちのサービスに耳を傾ける傾向がないことも現実です。
これらは、Point 9 Analyticsを立ち上げた動機の一部でした。
業界内の情報と、提供できる分析データを本当に求めていた人々と協力したいと思ったのです。
『分析やプレゼンテーションで他のツールを使用していますか?』
(KlipDraw、Tag&view、Sharimgなど)
NacSport Proと同様にTag&Viewを使用します。
次に、統計にexcelを使用し、オンライン共有にCoach Logicを使用します。
『外部データプロバイダーを使用していますか?』
いいえ、私たちは自分たちでデータをすべて収集します。
『ネットボールではアナリストの役割をどのように見ていますか?』
現在、アナリストを持ったネットボールチームは数多くありますが、予算が少ないチームの場合、分析は優先順位リストの中でも低い位置にあるため、多くのチームがボランティアやインターンを使用したり、また、まったく使用していないチームもあります。
一方で、ランキングの低い国際チームからパフォーマンスの高い学校まで分析が一般的になっている事があります。
そのことは、とても素晴らしい事だと思っています。
私たちはこの分野で【成長する大きな可能性がある】と思っています。
なぜなら、分析がプレーヤー・コーチにとって有益であると信じているからです。
ネットボール界の実際のアナリストの役割に関しては、非常に多様性があると思います。
例えば、スポーツ科学に焦点を当てたり、ビデオに焦点を当てたり、コーチングの背景に焦点を当てたり、プレイヤーに焦点を当てたりなどなどがあります。
Point 9では、私たち3人全員が非常に異なる背景から来ている事から、全員違った見解と強みを提供する事ができています。
それらは、非常にユニークなアプローチだと信じています!
『Nacsportに新しい機能を1つ追加できるとしたら何ですか?』
複数のライセンスを購入しなくても、対話形式のダッシュボードをオンラインで簡単に共有できるようにする事だとと思います。
『さいごに...』
いかがでしたでしょうか?
以上、ニュージーランドの経験豊富なスポーツ分析会社Point 9の3人からの濃い情報でした。世界で少しづつですが、スポーツ分析が浸透してきています。以前までは、高額、かつプロチームで使用されていたスポーツ分析ですが、現在では様々なチームで使用されるようになってきました。今回の記事で、私が特に重要だと感じた部分は、情報の提示法を選手に応じて変えるという事です。選手のレベル、性格によって欲しい情報は違います。選手のニーズに、私たちが提出する情報が合っていないと、しっかりとその情報を受け取ってはもらえません。返って反発を受けるかも・・・常に選手と向き合って、選手と共に成長していきたいですね。
『筆者 Daisuke Matsuuraについて 』
関西大学大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、分析等を学び、現在はニュージーランドと日本でラグビーコーチ/アナリストとして活動中。コーチとして、ラグビーワールドカップの優勝を目指している。今後は、ヨーロッパやアルゼンチンへ活動を拡げようと計画中。言葉、映像、環境を操り、人との繋がりを大切にして、選手のパフォーマンス向上とチームの勝利を目指しています。
SNSにて、最先端のラグビーコーチ、アナリストとしての活動内容を日々投稿中!!
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