更新日:2020年8月25日

今回は、世界でも有数の人気を誇るスペインのサッカーリーグ「リーガ・エスパニョーラ」に所属する" レアル・サラゴサ ”のトップアナリストアレックス・ソサ・オテゴ氏(以後オテゴ氏) のインタビューをお届けします。
実は、このレアル・サラゴサ...、日本とも大きな関わりがあるのです!
日本代表として活躍し、海外ではドイツ、ドルトムントでのブンデスリーガ制覇。そして、年間ベストイレブンにも輝いたことのある、あの【香川真司】選手が現在所属しているのが、このレアル・サラゴサなのです!
そんなトップチームのアナリストであるオテゴ氏がチームの一員としてのアナリスト業務を中心にインタビューに答えてくださっています!
分析がどのようにチームに貢献しているか分析内容をどのようにトレーニングに反映させているかについてもお話しいただいておりアナリストのみならず、一般のコーチの方の分析的な視点にもヒントになるかもしれません!
そんなオテゴ氏のインタビューをぜひ最後までお読みください!!
レアル・サラゴサの1stチームアナリスト・オテゴ氏に彼のキャリアの中でどのようにスキルを磨きあげたか、そしてこれからのサッカー界での分析面の展望について話して頂きました。
『アナリストになって何年目になりますか?』
アナリストとしての活動は4年以上になる。早い段階でNacsportを使い始めたよ。
『 Nacsportとの出会いはなんでしたか?』
トップチームに関わる前から、次の対戦相手のスカウティングや、自チームの強みと弱みを分析したビデオを作成することが、私の仕事だった。
かつては、iMovieを使っていてたけど、それでは必要な分析をするのに莫大な時間と労力がかかっていたんだ。
また、分析作業のためには、機能的にも明らかに不十分な所があって、手作業で行う作業も少なくなかったんだよ。
トップチームに異動になった時、分析レポートの質を向上させてくれるツールを導入しようと決意した。
そのときに、何人かの友人がNacsportを紹介してくれて、まずはNacsport Basic(※1)を導入することにしたんだ。
1年間活用して、個人的に契約を更新しようと考えていたときに、チームがNacsport Elite(※2)を準備してくれて、そこからNacsport Eliteを使い始めたんだ。
格段に増えた機能を色々試していきながら、自分の分析やレポート作成のスキルを磨いていったよ。
※1
Nacsport Basic : 5段階あるライセンスの中で1番下のグレード。これのみ年間
※2
ライセンス制(初年度32,000円,2年目以降9,500円) Nacsport Elite:5段階の中で1番上のグレード。ライフライセンス。
『通常業務の中では、どのような流れで分析作業を行っていますか?』
1週間に3-4試合を分析する。ただ、どこまで深堀りするかはその時々だね。
トップチームのために、特定のエリアを撮影しているタクティカルカメラの映像をモニターに出力して、分析作業を行う。その映像から、1つのレポートを作るんだ。
次に、コーチングアシスタント達と連携を取りながら、重要度の低いものを省いて行く。
チーム全員に共有する前に、一度この作業を行うんだ。
私達のレベルアップと、次の対戦相手の準備のために分析をしたら、その内容を元に、
攻撃と守備の両局面において、選手たちとグラウンド上でシミュレーションしていくんだ。
対戦相手に強み・弱みに応じたトレーニングをするときに、Nacsportは本当に価値の高い働きをしてくれているよ。
『今後どのように発展してほしいと思いますか?』
私としては、コーチングスタッフ全員がNacsportやKlipDraw(※)に精通してほしいと思っている。
そうすれば、みんながNacsportでより多くのデータを収集ができるし、効果的なコミュニケーションも生まれて、分析内容を共有できると思う。
それと同時に、自分自身も価値あるデータを分析する能力を磨き続けていきたいと思っているよ。
※3
KlipDraw:https://www.youtube.com/watch?v=mLiN3CoW5Ic Nacsportと同様に弊社が提供しているWindows専用の描画ソフト。
『リアルタイムキャプチャはしていますか?』
『そのとき、どのように他のメンバーと分析内容を共有していますか?』
やっているよ、我々はゲーム中に多くのデータを活用している。自分が見て感じたことや、分析内容について、試合中でもベンチと共有しているよ。
そのときには、Tag&View(※)を使っているかな。
他にもWhatsAppやE-mailを使って伝えることもあるけどね。
ハーフタイムなどでは全部の情報を見せるのではなくて選手やヘッドコーチが難解なデータで混乱することのないように、どのデータを共有するか、自分で判断して渡しているときもあるね
※4
Tag&view: https://www.youtube.com/watch?v=sve-97fShc8 Nacsport対応のiOS用アプリ。撮影をしながらのタグ付けと、ネットワークを使ってのデータの共有が行える
『チームの中で、あなたと一緒に分析作業をしている人は何人いますか?』
分析担当のみを行っているのは私だけだよ。でも、クラブのあらゆる年代のコーチと親しく仕事をさせてもらっている。
多くのカテゴリーに関連するデータを共有したり、それが彼らの仕事に役立つように手助けしたりね。
チームの分析活動に関して、全面的な責任があることは、私の能力を磨くのにとてもいい環境だ。
新しいアイディアを試していき、最終的にはクラブのためになる分析業務のプロセスを作ることにも自分が関われるんだ。
『アナリストとしての目標に近づいて行けてますか?』
『今後どのようにレベルアップしていきたいですか?』
もちろん近づいていると思う。
私達は、チームパフォーマンスの向上のために、もっと分析を使っていきたい。
Nacsportは、私達が必要な情報を取り出す重要なツールになっているし、私は自分の仕事を、情報をチームを前進させるためにどう使うか、その方法を見つけ出す仕事だと思っているよ。
『サッカーの分析の未来はどのようになっていくと思いますか?』
分析は、全てのチームにとって重要度が増していくと思う。
アナリストの役割も同様にね。
分析の業務フローが練り上げられていくにつれて、私達はもっとスマートにコーチングを行い、日々の練習を合理的に進めていき、戦術・戦略にもっと重きを置くようになっていくと思っているよ。
(引用・翻訳元) https://www.nacsport.com/…/product-news/item/572-real-zarag…
『さいごに...』
いかがでしたでしょうか?個人的に興味を持ったのは、ソーサ氏のようなトップチームのアナリストがNacsportの1番下のグレードであるNacsport Basic (32000円+税)を、"自ら"購入していたことでした。
分析内容の深さにもよりますが、 ・分析の幹となる部分はどのグレードでも対応できるということ ・チームの潤沢な財源に頼らずとも導入できること
を伝えてくれているように感じました。
今後も、国内外でNacsportを使ってくださっている方の活躍を投稿していきたいと思います!
『筆者 Daisuke Matsuuraについて 』
関西大学大学院卒。オーストラリア、ニュージーランドでラグビーコーチング、分析等を学び、現在はニュージーランドと日本でラグビーコーチ/アナリストとして活動中。コーチとして、ラグビーワールドカップの優勝を目指している。今後は、ヨーロッパやアルゼンチンへ活動を拡げようと計画中。言葉、映像、環境を操り、人との繋がりを大切にして、選手のパフォーマンス向上とチームの勝利を目指しています。
SNSにて、最先端のラグビーコーチ、アナリストとしての活動内容を日々投稿中!!
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